進研ゼミ小学講座向け支援サービス Akane(あかね) / 株式会社ベネッセコーポレーション様

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ベネッセ様の代表的な教育サービスである赤ペン先生において、これまで紙で運用されていた赤ペン先生が採点する支援サービスに、ペンタブレットを導入し、答案の受付から返却に至るプロセスを、情報システムとインターネットを使った仕組みでデジタル化したプロジェクトでした。
そのプロジェクトにて、ペンタブレットを使った採点ソフト、赤ペン先生が指導した答案をブラウザで閲覧し復習するための、会員向けの答案プレイヤーのWEBアプリケーションの2つのアプリケーションの、UXデザイン、UIデザイン、ビジュアルデザイン、開発から導入までを担当いたしました。

どういう悩みがあったか?(なぜその仕組になったのか)?

ベネッセ様は紙の郵送費など運用に関わるコストの削減と、会員の満足度向上を目的ににサービスのデジタル化に取組まれました。
小学生の年代では、先生や親が褒めて励ましてくれることが、学力向上に効果を発揮します。赤ペン先生からの「手書きによるメッセージや指導」は子ども達に対する褒め、励ましの重要な要素となっており、本プロジェクトでは単にシステムをデジタル化するだけではなく、ユーザー体験を重視し、いかに赤ペン先生と子どもたちがシステムを通じて、より良いコミュニケーションがとれるか、といった部分が本プロジェクトにおけるもっとも重要な課題でした。

アプローチ・解決策

新システムでは、会員の答案が紙そのままの状態で採点ソフトに表示されます。赤ペン先生はペンタブレットを使い、紙と同じように添削指導ができます。添削指導の質がこれまでと同様であることだけでなく、デジタルならではのメリットとして、指導内容がデータ化されているため書き直しがしやすいといった効果も生まれました。

会員側のPCでは、先生の手書きによる赤入れの様子が、動画で確認できるようになっており、算数の答えの導き方や、漢字の書き順で注意すべきポイントなどが、赤ペン先生による赤文字や線の動きを交えながら表示されます。

赤ペン先生と子どもたちがシステムを通じて、より良いコミュニケーションを探るため、プロジェクトは、要件定義から概要設計までの範囲を、3回のイテレーションを回し、各イテレーションにおいて、理解→分析→発案→可視化・具体化→評価を繰り返し、要件から基本設計までを固めました。評価においては、各イテレーション間にて行い、実際の赤ペン先生や会員にユーザー調査を実施し、そのフィードバックを分析し、次のイテレーションに反映させるという流れで進めました。

その結果、赤ペン先生側にはアナログの質を落とさない添削指導レベルと高い生産性を提供しつつ、会員側には赤ペン先生のぬくもりを感じられ、よりやる気やモチベーションの向上を促すことのできるアプリケーションを実現しました。

技術的な面としては、指導ソフトはWindowsパソコン用のクライアントアプリケーションで、アプリケーションの核となる画面処理技術には、タブレット上での赤入れを忠実に表現するアプリケーションが実現するために、WPFを採用しました。ペンタブレットについては、もっともアナログの感覚が近いワコム製の「Intuos4」を採用しました。

結果(でどうなったか?)

運用コストの大幅削減
紛失等の紙に関わるリスクの削減
答案返却の期間短縮、赤ペン先生の温かみが感じられる添削指導による会員満足度の向上